ごあいさつ

2. ケニアに対するODAの考え方

(1)ケニアに対するODA の意義

ケニアは、東アフリカにおいて、政治・経済面で指導的役割を果たしており、地域の平和と安定に貢献している。
また、我が国との関係も良好に推移しており、安定的な関係を維持・発展させていく意義は大きい。ケニアは、恵まれた地理的条件、比較的高い教育水準等サブ・サハラ・アフリカの中で発展への高い潜在能力を有し、民主化及び経済改革に取り組んでいる。またUNEP 等の本部が所在し、積極的に気候変動問題にも取り組んでいる。このようなケニアの取組みを我が国のODA により支援することは、ODA 大綱の重点課題である「貧困削減」、「持続的成長」、「地球的規模の問題への取組」や「平和の構築」の観点からも意義は大きい。

(2)ケニアに対するODA の基本方針

ケニア側の自助努力を促す意味でも費用対効果の面等、質の向上を重視し、政府の汚職対策も注視していく必要がある。重点分野に的を絞り、周辺諸国にも効果の及ぶような地域的アプローチも考慮していく。
ケニアに対しては、無償資金協力及び技術協力の他、ケニア政府が自助努力による債務返済への意思を明確にしていることを踏まえ、既往案件の実施状況、債務負担能力等を十分に勘案しつつ円借款を実施し、TICADⅣで表明した横浜行動計画の達成を図る。

(3)重点分野

2000 年に策定された「対ケニア国別援助計画」に基づき、以下の5 分野を重点分野として対ケニア支援を実施するとともに、国内及び近隣地域の平和構築・定着に資する支援を実施している。

(イ)人材育成

  • (a)

  • 初中等教育:中等理数科教員の質及び授業方法の改善。

  • (b)

  • 高等教育・技術教育:域内及び域外へも裨益効果が波及するよう、周辺国及び大学等の機関との連携の下での東アフリカの人材育成。

(ロ)農業・農村開発

小規模農民の収入向上や稲作振興(アフリカ稲作振興のための共同体:CARD:Coalition for African RiceDevelopment)などを通じた市場に対応した農業開発や半乾燥地等における農村コミュニティー開発等を支援。

(ハ)経済インフラ

ケニア港湾・幹線道路網整備等の広域輸送インフラ改善、ナイロビ都市圏の渋滞緩和、電源開発等のエネルギー支援、貿易・産業振興等。

(ニ)保健・医療

エイズ対策支援、西部地域等における地域保健医療サービス向上、広く東南部アフリカ地域の人材を対象とした人材育成等。

(ホ)環境保全

安全な水へのアクセス向上などを通じた水資源管理、森林の造成・保全や洪水対策などを通じた気候変動に係る適応策の推進、廃棄物管理等を通じた環境管理能力の向上。

(ヘ)平和構築・定着

2007年選挙後の混乱により影響を受けた国内避難民支援、ソマリア難民支援、平和支援訓練センター支援(いずれも国際機関経由)や政治的・経済的安定を図るための食糧関連支援。